かろうじてガソリンは入れることができ、帰宅したら電気も通ったので一安心したのも束の間。
その日以降、ガソリンを入れることが出来なくなった。
当然自家用に限った話ではない。
運送屋につとめる自分としては、ガソリンが入手できない=仕事ができない=収入が途絶える のである。
そして食糧難、商品不足が発生し始めた。
まずカップラーメンやインスタント食品、すぐに食べられるパン、続いて缶詰が玉砕。
かろうじて土曜(12日)に買い溜めてあった食材で数日を乗り切ることになる。
無論、まるで手に入らない避難所の方々に比べるべくも無いわけだが、こういう事態になって初めて被災地に住んでいるのだという事を実感する。
会社の車は開いてるスタンドを見つけるたびに現金で少しずつ(給油量制限が設けられているため)給油し、かろうじて仕事は出来る状態に。
しかしである。
東北の物流の要である仙台が、津波による甚大な被害のために機能しなくなっている。
つまり、青森には物が入ってこないということだ。
しかも、メーカーサイドでは「送ったところで届かない」のを理由に東北圏への出荷を停止したのである。これが火曜(3/15)の事だ。
流通が死に、メーカーが出荷しないとなると、本格的に物流は停止だ。仕事がないのだから当然だ。
さて、同様にコンビニへの出荷も停止になるのだろうと踏んでいたのだが、これは話が違った。
流通がストップしたのをいい事に、倉庫に眠っている過剰在庫を処分し始めたのだ。
本部支持による全店指定出荷。有無を言わさず商品を送り込むという手口だ。
被災地に少しでも商品を供給しようという意識ならまだ可愛げがある。
が、在庫金額が張りしかも動かない「ガム」や「乾物」を出荷しようと言うのは「自己都合」でしかない。
こちらの都合で商品を選び、被災地に送り込んでどうなる。
コンビニの店頭には酒も乾物も余っているのが実情だ。
しかも、無条件に全店出荷しているものだから、被災して営業できない店舗の分まで荷造りする羽目に。
当然届けた先は営業していないので、またウチの倉庫に荷物が帰ってくるわけだ。
帰ってきた荷物を倉庫に戻すとなると、出荷した時点での商品と、現在棚にある商品との、賞味期限との整合性が取れなくなったりするケースが生じる。
簡単にいうと賞味期限の逆転だ。
出荷時は問題なかったが、返品されて帰ってきた時点ですでに賞味期限が古いものになって使えないのである。
これが商品1つや2つだったらまだいい。
全店30アイテム出荷して、それが全部帰ってきたのだ。唖然としてしまう。
この辺は責任の所在を明確にしておかなければなるまい。
そうしているうちに、完全に入荷がストップした。
しかし、すぐに名古屋方面から10t積みに満載でこちらに向けて出荷したと言う情報が。
ふと気づくと、ガソリンも平常とまではいかないが、給油渋滞も少なくなってきた。これが金曜(3/18)のこと。
震災から丁度一週間である。
直撃を受けた被災地への移動手段や連絡は未だに完全ではないが、周辺の市町村に関しては元の機能に近づいてきたようだ。
被災後一週間。
麻痺した機能が戻り始めるまでの時間である。